SDGsの目的とその裏にある課題:貧困撲滅から地球環境保護まで

地球温暖化、貧困、資源枯渇…私たちの社会を取り巻く課題は山積みです。

しかし、これらの課題を解決し、より良い未来を創造するために、今、世界中で注目を集めているのが「SDGs」です。
では、SDGsの目的とは何なのでしょうか。

□SDGsの目的とは何か?

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。
2015年9月の国連サミットで採択されたもので、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットから構成されています。

1: 貧困の撲滅

SDGsの目標1は、あらゆる形態の貧困を終わらせることです。
これは、収入が少ないことだけでなく、飢餓や栄養不良、教育や医療へのアクセス不足、差別など、様々な要因による貧困を解消することを目指しています。

2: 飢餓の撲滅

目標2は、飢餓を終わらせ、食料安全保障と栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進することです。
世界では、今もなお多くの人々が十分な食料を手に入れることができずにいます。
特に、紛争や気候変動の影響を受けている地域では、食糧不足が深刻化しています。

3: すべての人に健康と福祉を

目標3は、すべての人に健康的な生活を確保し、あらゆる年齢のすべての人に福祉を促進することです。
健康的な生活を送るためには、質の高い医療サービスの提供、予防医療の推進、健康的なライフスタイルの普及などが重要です。

4: 質の高い教育をみんなに

目標4は、すべての人に包容的かつ公正で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進することです。
教育は、個人の能力開発、社会参加、貧困脱出に不可欠な要素です。

5: ジェンダー平等を実現しよう

目標5は、ジェンダー平等を実現し、すべての女性と女児のエンパワメントを達成することです。
女性や女児が、教育や雇用、政治参加などにおいて、男性と同じ機会を得られるようにすることが重要です。

6: 安全な水とトイレを世界中に

目標6は、すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保することです。
安全な水と衛生施設は、人々の健康、生活、経済活動に大きな影響を与えます。

7: エネルギーをみんなにそしてクリーンに

目標7は、すべての人々に手頃な価格で信頼性の高い、持続可能な、近代的なエネルギーへのアクセスを確保することです。
エネルギーは、私たちの生活、経済活動、社会全体を支える重要な資源です。

8: 働きがいも経済成長も

目標8は、持続可能な経済成長、生産的な雇用、働きがいのある仕事、そしてすべての人々のディーセント・ワークを促進することです。
人々が安心して働ける環境を提供することで、社会全体が豊かになり、経済も活性化します。

9: 産業と技術革新の基盤をつくろう

目標9は、強靭なインフラストラクチャ、包容的かつ持続可能な産業化、イノベーションを促進することです。
技術革新は、経済発展、社会問題解決、環境保護などに貢献します。

10: 人や国の不平等をなくそう

目標10は、すべての人々の間の、そして国々間の格差を縮小することです。
貧困や不平等は、社会不安や紛争を引き起こす要因となります。

11: 住み続けられるまちづくりを

目標11は、包容的で安全でレジリエントかつ持続可能な都市と人間の居住地を構築することです。
都市は、人口集中、環境負荷、社会問題など、様々な課題を抱えています。

12: つくる責任つかう責任

目標12は、持続可能な消費と生産のパターンを確保することです。
私たちの消費活動は、環境や社会に大きな影響を与えています。

13: 気候変動に具体的な対策を

目標13は、気候変動とその影響を軽減するための緊急対策を講じ、気候変動対策のためのレジリエンスと適応能力を強化することです。
気候変動は、地球規模の脅威であり、早急な対策が必要です。

14: 海の豊かさを守ろう

目標14は、海洋と海洋資源を持続可能な開発のために保全し、持続可能な形で利用することです。
海洋は、私たちの生活に様々な恩恵をもたらしています。

15: 陸の豊かさを守ろう

目標15は、陸域生態系の保全、回復、持続可能な利用、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、生物多様性の損失を阻止することです。

16: 平和と公正をすべての人に

目標16は、平和で公正な社会を実現し、すべてのレベルにおけるすべての人々のアクセス可能な司法制度を促進し、すべての人に法の支配と公正、包容的な社会を促進することです。

17: パートナーシップで目標を達成しよう

目標17は、持続可能な開発のための手段を強化し、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップを活性化することです。

□SDGsの目的に潜む課題と批判

SDGsは、世界共通の目標として注目されていますが、その実現に向けては様々な課題も存在します。

1: 目標設定の曖昧性

SDGsの目標は、一見、壮大で素晴らしい目標のように思えますが、その一方で、目標設定が曖昧であるため、具体的な行動指針が不足しているという批判も存在します。
例えば、「貧困をなくす」という目標は、誰もが賛成する一方で、具体的な指標や達成基準が曖昧であるため、実際にどのような行動をとれば目標達成に貢献できるのか、分かりにくいという問題があります。

2: 「持続可能な社会」の定義の曖昧さ

「持続可能な社会」という概念自体が、明確に定義されていません。
そのため、SDGsの目標達成に向けた取り組みが、真に持続可能な社会を実現するのか、疑問視する声も上がっています。

3: 実現に向けた具体的な方策の不足

SDGsの目標達成には、政府、企業、市民社会など、様々な主体が協力して取り組む必要があります。
しかし、具体的な方策や制度設計が不足しているために、目標達成に向けた取り組みが遅々として進まないという現状があります。

□まとめ

SDGsは、私たちの未来をより良くするために、世界共通の目標として掲げられた非常に重要な理念です。

しかし、その実現には様々な課題も存在します。
目標設定の曖昧性、形式的な取り組み、定義の曖昧さ、具体的な方策の不足、地球全体の課題に対する意識の低さなど、克服すべき課題は多いです。
私たち一人ひとりが、SDGsの目標を理解し、自分自身の行動を振り返り、持続可能な社会の実現に貢献していくことが重要です。

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