印刷で必要なものはなに? パート2

~ 印刷オペレーターのつぶやき ~
前回までは、印刷機・印刷の技法を少し解説しました。
今回はインキについて書いていきましょう。
まず、そもそもなぜインキというのか?インクじゃないの?
油性マジックなどはインクといったりしますね。
私も、印刷業界に関わってからインキという言葉を使うようになったので、
もしかすると印刷業に関することはインキ、それ以外はインクというのかとも思ったりしていました。
あれ?インクジェットプリンターはインクっていうなぁ?
正直なところ、明確にインキとインクの違いを教えてくれるものはあまりないようです。
英語の標記もどちらもInkですからどちらが間違いということではないのでしょう。
(私は印刷人なのでインキで今後は書いていきます!)
まず、インキは何でできているか? 
この話になるとちょっと難しくなってブログを見てもらえなくなるので、簡単にだけ説明すると、
①色を着ける役目の 『色料』、
②色料をインキ壷から用紙などに運び固着させる役目の『ビヒクル』
③インキの性能を維持・向上させる役目の『補助剤』
から成り立っています。
この中身のことを説明すると、専門用語ばかりになってしまうので、ここは触れずに今回は、
インキの種類について少し説明しましょう。
オフセットインキの場合、当初は油性インキが主流でした。
いまではUVインキという速乾性対応のインキも出てきています。
弊社もこのUVインキにて印刷を行なっています。
油性インキは絵の具と一緒で、時間が経てば乾燥していきます。
もう少し踏み込んで説明すると、酸化重合による乾燥です。
つまり酸素に触れることで乾燥するのです。
印刷機による印刷では、紙などが印刷されてどんどん積み上がっていきます。
そうすると酸素と触れなくなり乾燥が鈍くなります。
最悪の事態として、裏写り・ブロッキングが発生します。
それを少しでも防ぐために、印刷物と印刷物の間にパウダーを噴射してわずかな隙間をつくってあげます。
それでもインキが乾燥するまで裏面への印刷や、断裁・加工をすることは不可能でした。
ところがUVインキは違います。
UVとはサングラスでもUVカットというように紫外線のことです。
UVインキは紫外線を当てることで瞬時に乾燥するインキのことです。
このインキの登場は飛躍的に作業工程のスピードUPとなり、納期の短縮にも繋がりました。
さらに瞬時に乾燥させることで特殊な素材にも印刷ができるようにもなるとともに、揮発性化合物を発生しないといった環境にも配慮されるようにもなりました。
 でも、世の中にはメリット・デメリットがあるように良いことばかりではありません。
スピードをとれば品質が落ちるトレード・オフの関係のように、油性インキの場合は時間をかけて乾燥するためインキが平滑になり、結果沢が良いといわれています。
ところがUVインキは瞬時に乾燥するため、レべリング(平滑性)が油性インキに比べ悪いといわれています。
さらにはインキも油性インキより高価であり、乾燥装置の設備やUVランプを設置しなければならず、これも高価です。
補足ですが、現在ではLED-UVインキもでています。
照明でもよく使われてだしているLED光源の波長に反応して乾燥するタイプのインキです。
省エネルギータイプとして今後は印刷業界に広まっていくと思いますが、印刷の絵柄を見せているのは紛れもなくインキであり、印刷物をつくることにおいて重要な役割を持っていることは間違いないです。
今回、印刷用インキについてつぶやいてみましたが、次回はパート3として「刷版(さっぱん)」についてつぶやいてみたいと思います。
ちなみに、実はパート4まで予定していて、最後の4つ目が何かは次回に発表するからね(何だろ、ワクワク)
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