さて、今回は印刷機をコントロールする場所を紹介します。
これまで印刷機や刷版、インキなど印刷に必要な要素をお伝えしてきたけど、今回はそれらをつかってオペレーターがどうやって商品(印刷物)をつくっていくかという場所です。
今では当たり前になっているオペレーションスタンド(コントロールパネル)ですが、一昔前では、そんなにデジタル化が進んでいなかったので、全てが手動と目視と感覚ですべてが行われていたといっても過言ではありません。
そんな時代を少しは経験した私としては、なんて楽になったんだ・・・と、最近の印刷を見るたびに思ってしまいます。
さて、印刷オペレーターの印刷技術を語る上で重要なことといえば、
1)見当合わせ(カラーであればC・M・Y・Kの4色)と表裏の見当合わせ(用紙の表と裏の印刷位置の精度)
2)濃度のコントロール(狙った濃度に一定して印刷できるか!)
3)汚れやキズなど印刷不良をどこまで無くせるか!
4)どこまで綺麗な印刷物をつくれるか(網点のシャープさ・ベタがしっかりのっているかなど)
5)刷のコントロールとスピードを並行して行えるか
6)印刷のトラブルをいかに早く気付けるか
7)印刷機の調整をどこまでしっかりできているか
などでしょうか・・・(個人的な見解がかなり多いですが・・・)
といことで印刷のコントロールする操縦桿のような場所が、このオペレーションスタンドということです。
簡単に印刷の流れをいうと、版をはめて、用紙をセットして、給紙して、用紙に印刷された現物を見て、見当を合わせるというのが、最初ですね。
4色の見当にズレがあるときは、どうやって合わせるのか?というと、オペレーションスタンドのデジタルパネルで、版の位置を変えるんですよ。
ずれているユニットにいって、調整をする必要はなし!(一昔前は違ったんですけどね)
さらには濃度のコントロールもここで行います。
印刷の重要な要素である水のコントロールもここで行います。
すごいですよね。つまりオペレーターは印刷する時の大半は、このオペレーションスタンドにいることになるんです。
だけど・・ このようにデジタル化が進んで、楽になるとヒトの技術が落ちていくのでは・・と本当に危惧しています。機械は楽をさせてくれるように進化していますが、判断するのはヒトですから!
きっとものづくりの真骨頂として、ヒトの技術・知識と機械の進化の共存が良い製品を生み出していくのかなとつくづく思います。